観てきた

 
最近、興行収入100億円を超えた
呪術廻戦じゅじゅつかいせんを観ました。
 
 
人間の怨念によって生み出された
「呪い」を描いた作品です。
 

 
今回は私たちのこころにも巣食いやすい
「呪い」についてのお話です。
 
※以下、軽いネタバレがあります
 
 

「呪い」というと

 
オカルト的な印象が強いですが
 
 
親や社会から「こう生きなさい」と
押し付けられた意識も、いわば呪いだし
 
「どうせ私は」と
 
自らを制限する意識もまた
自分にかけた呪いだと言えるでしょう。
 
 
 
映画の主人公は、男子高校生で
彼には幼い頃
結婚を約束した少女がいたのですが
 
彼女は不慮の事故で、亡くなってしまう。
 
 
けれど怨霊となった少女は
「ずっと一緒だよ」と主人公を呪い続けます。
 

 

「呪い」は元々

 
古代文字の、兄けいから派生した漢字です。
 
 
兄けいは
 
口さい＝「神への祈りの文を入れる器」を
神官が頭に載せ
ひざまづいている様子を描いています。
 
 

 
兄けいに
示(神をまつる時に使う祭壇）の文字を加えると

神への、良い祈りの意味につながりますが
 
 
口さい(神への祈りの文を入れる器)が
もう1つ加わると「呪」となります。
 

 

 
漢文学者・東洋学者/白川静
 
 
私たちはこの世界を
そうあって欲しい願望・祈りと重ね合わせて
生きていますが
 
祈りがくじかれたり
祈りそのものが肥大化しすぎると
 
 
祈りは一転、呪いとなる。
 
 
口さい(器)が２つ並ぶ「呪」は
「あれもこれも」と神に捧げる器に放りこみ
 
欲求で膨れ上がった、人間のありさまを
表しているのかもしれません。
 
 

時折、カウンセリングで

 
こころの奥にある、意識に向き合っていくと
自分にかかっていた「呪い」が
浮かび上がってくることがあります。
 

 
最初、クライアントさんとしては
「ここが問題」「あの人が悪い」と
主張していても
 
実際フタを開け、こころと向き合っていくと
問題の核が、まったく違うところに
位置していることは多いです。
 
 
 
呪術廻戦じゅじゅつかいせんの映画でも後半
主人公の当初の想定がひっくり返り
 
思いもよらなかった「呪い」の実態が
明らかになるシーンがあります。
 

 
人は何かを願わずには、生きていけない。
 
強い願望があるからこそ
現実を動かす力が生まれてくる。
 
 
けれど、どこからどこまでが願い・祈りで
どこからが呪いなのか、境界線はぼやけていて
 
「手を離せ」と言われても手放せない
呪いのような祈りもあるのでしょう。
 
 
「大好き」と絶叫しながら
主人公にとり憑きつづける少女の呪いを
 
今この瞬間、どこかの誰かが
生きている気がしました。
 

 
元々は美しい祈りだったものが
呪いと化したのか
 
最初から祈りに化けた、呪いだったのか。
 
 
人は自分の考え方を
正しいと信じて疑わない甘さがあるから
 
自分が祈っているのか、呪っているのかも
わからなくなるのかもしれません。
 
 
 
「こうなりたい、ああなりたい」
「こうして欲しい、ああして欲しい」
 
数珠つなぎに連なっていた祈り、願いが
呪いに変わる瞬間
 
一体どれだけの人が
それを察知できるのだろうと思います。
 
 

 
「愛ほど、歪んだ呪いはないよ」
 
 
キレのあるアクションシーンが続く映画の途中
 
そう呟いたキャラクターのセリフが
言霊のように響いて
 
自分の内側で呪いになっているものはないかと
映画の帰りに、考えていました。
 
 

最後に、オンライン・カウンセリング

 
自分ではそんなつもりはなくても
本当は過剰に、または不足になっている。
 
そうした意識の見落としが実は
人間関係のストレスや、問題に繋がっていきます。
 
 
自分でも把握するのが難しい
こころの内側の、意識や感情。
 
オンラインコースでは普段
盲目になりやすい、内面の思いを見つめ直し
 
自分を縛りつけていた、考え方や思いに
新しい方向性を与えていきます。
 
 
静かに自分と向き合い
自分を押し留めていたものを
解放をさせていきたい方は
 
オンライン・カウンセリングコースをどうぞ