Ricoriss リコリス

女性の「生きる」を創造する

自分だけ世界から取り残されてる感。でもまだ人生はわからないよ

進べき場所に進み、所有すべきものを持ち
 
みんな苦労はあっても
人生の平均的なものを、所有していると思う。
 
 
でも今の自分は、みんなの「普通」が遠い。
 
今回は世界から取り残されている感があり
気落ちしている方へのお話です。
 
 

みんなあるよね

 
それは山中湖での、合宿の出来事でした。
 
 
合宿中の連日の集団生活がたたり、最終日に
「1人になりたい症候群」にかかっていた自分は
 
合宿終了の合図を聞くや、1人山中湖に
飛び出していったことがありました。
 
湖
 
帰りの高速バスまで、まだ時間はある。
 
バスの予約時間まで、山中湖を歩き周り
心身の疲れをやわらげるつもりでした。
 
 
ですが疲れている時ほど
慣れないことをするものではありません。
 
 

ダメな時は、何やってもダメ

 
山中湖をあてもなく歩き続け
そろそろバス停に戻ろうかと、引き返しますが
 
全くバス停に着きません。
 
 
どうやら疲れで、距離感や時間感覚がバグり
バスの時間に間に合わないところまで
歩き倒していた様子でした。
 

 
「大丈夫、まだ間に合う」
 
付け焼き刃の肯定感を植えつけながら
全速力で走る自分を、山中湖は見つめ続けますが
 
次の瞬間
 
「大丈夫!大丈夫!」と念じながら走る女の横を
1本のバスが通り抜けていきました。
 
 
車窓には、あとは家に帰るだけの
呑気な顔した合宿仲間の顔が見えます。
 
 
それは東京行き、最後の高速バスでした。
 
 
 

山中湖おきざり事件

 
ただ少し、1人になりたかっただけ──
 

 
山中湖ってどこ?
行きだってバスだった。帰り方がわからない。
 
人並みの現実が遠い。
 
 
寂寞感せきばくかんに無力感、不気味な静寂──
 
それらが世界から取り残された時に
私たちを覆う意識なのでしょう。
 
よほど気をつけない限り
元の世界に戻る力は、それらの意識に
吸いとられてしまうのかもしれません。
 
 
 
「義務教育が終わったら、人生の節目は
自分で刻んでいかなければならない」

 
大学教授が言っていましたが
 
 
どこをどう歩けば、節目おぼしきものが
見えるくるかもわからず
 
湖に取り残され、彷徨うような期間が
きっと誰にでもあるのだと思います。
 

 
山中湖のはるか上空から見たら
 
この時の経験が
今後の人生の、戦闘力の1つになる絵姿が
見えるのかもしれませんが
 
一介の人間に見えるのは
終わらない山中湖でした。
 
 
「みんなと普通にバスで帰れていたら
何も考えなくていい、幸せがあったのだろう」
 
ですが取り残されている以上、誰もいない湖を
身骨砕いて、歩き続けるしかありません。
 
 
 
1人ぼっちの山中湖で、ひと気のある方向を探し
歩き続けていると道沿いに
ガラス戸のある、一室を見つけました。
 

 
室内には、5〜6人のおじいさん達が
談笑していましたが
 
その和やかな空間に、様子のおかしい女が
ガラス戸を開けて入ってきます。
 
 

東京に行くには
どうしたらいいですか?
おじいさん達
!?!!

 
事情を話すと、おじいさん達は
 
「おき去りてあんた
それなら、富士吉田まで行くしかないよ」
 
困惑しながらも
東京への戻り方を教えてくれました。
 
 
「フ…フジヨシダ…?」
 
意識が遠のきながらも、必死に道順をメモし
お礼を言って、部屋を後にします。
 
 
おじいさん達に教えてもらったバスに飛び乗り
ローカル電車に乗り換えると
 
人もまばらな車内に
地元の人々が、のんびり座っていました。
 

 
きっと明日も変わらないであろう光景の中に
乗客の1人として、迎え入れられた安堵が
こころに滲んでいきます。
 
そうして、フジヨシダを経由し
普通電車を乗り継ぎまくり
 
いつもはウンザリしていた東京の地下鉄に乗ると
ようやく、日常の続きに戻れた気がしました。
 
 

「取り残されない人」もいますが

 
私たちが終わらせるべき、古い流れにいる時は必ず
人生からのせき止めの「取り残し」をくらいます。
 
 
そうなると山中湖の美しさも
世界の美しさも忘れ、漆黒の世界に
おき去りにされたような気持ちになる。
 
 
けれど人生の節目を超えて進むためには
1人で暗闇を歩く力を、人生から求められます。
 

 
その年の年末
使い終えた手帳を眺めていると
 
ひどい動揺で筆圧が死んでいる
「フジヨシダ」の文字を見つけました。
 
 
ですがこれを書いた当時の自分はまだ
「話の結末」を知りません。
 
 

取り残された「結末」

 
山中湖に取り残された翌日
 
合宿仲間に笑い飛ばしてもらおうと
おき去り事件の話を話すと
 
 
「バスに乗り遅れて正解だよ」
 
と、思いがけない返事をもらいました。
 
 
釈然としませんが、友人の話によると
あの後バスはひどい渋滞で、5時間以上遅れ
 
みな家に帰れたのは
夜の10時を超えていたそうです。
 
 
自分が家についたのは、夕方
 
 
湖を彷徨っていたはずの自分が
実は誰よりもぶっちぎりに早く
帰宅していたことになります。
 

 
世界から、取り残されている気がする──
 
 
私たちは気落ちしている時ほど
悲しい審判を自分に与えがちですが
 
何が幸か不幸かは
湖畔で決めれるものじゃない。
 
 
ある日突然発生する、取り残され期間も
人生において、ぶっちぎるべき何かのために
置かれた布石かもしれません。
 
 
人生の意味は、後から開示される方が多いから
 
今、通過している出来事の意味は
この先、ひっくり返るかもわかりません。
 
 
 
だから、いそがば回れ
 
 
いそがば、山中湖回れ
 
 
 
 
 

ねぎ
やだよ
もやし
おき去りのくせに

 
 
世界から取り残されても
自分は自分を、おき去りにしてはいけません。
 
 

最後に


 
取り残されていると感じる時は
自分に対する、肯定感も信頼感も薄れてしまう
辛さがあると思います。
 
 
オンライン・カウンセリングコースでは
こころの空間から、自分自身や現在の状況を
俯瞰し、見つめていきます。
 
 
精神的に現実的に、静止期間にいても
私たちのこころの奥では、自分を立て直そうと
様々な思いがうごめいています。
 
 
今抱えている思いを、ひっくり返していきたい。
 
新しい景色に向かう為の、自己内省をしたい方は
オンラインコースをどうぞ

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Ricorissリコリスを主催する
心理カウンセラー/サウンドセラピスト
 
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